8月5日(金)

 

 本日は,Maさんにまた大変お世話になった.

 

昼食の後,Maさんの車でThe Régie de l'assurance maladie du Québecに行き,家族三人の医療保険証を申請した.大学側の証明書,パスポートと夫婦関係を証明する書類(戸籍謄本の英訳)を見せれば,すぐに許可してもらった.ただし,正式に適用されるのは3ヶ月後の11月1日からだ.

 

家具なども買いに行く必要があった.郊外にあるスウェーデン系のIKEAというホームセンターはが品ぞろいが豊富で価格も安いということで,Maさんの車に乗り,連れて行ってもらった.

 

店にはいると,そこはほとんどフランス語の世界だった.店員による説明やさービスがほとんどなく,顧客が商品札をとり,それに示される棚の番号を見ながら自分で倉庫から商品を見つけて出口のレジに運んでいくという運営システムだった.コスト抑制のためには合理的だが,カナダに来て5日目の我々にとっては,大変だった.Maさんがいなかったら,買い物はできなかっただろう.

 

399ドルのソファーベッド,129ドルの食卓,それにシングルサイズのマット,椅子,照明器具,布団などを選んでレジで計算してもらうと,約890ドルだった.そこで,福岡銀行のアレコレ(VISA)カードを差し出すと,読み取り機の液晶パネルにいきなりrefuez(拒否!)が表示された.「何で?」と聞いたら,「知らん」と女性店員は愛想なさそうに答えた.大変なショックだった.そこで慌てて(モントリオールの大半のお店では受け付けない)JCBを恐る恐ると出して渡すと,今度は通してくれた.ラッキーと思って,サインしてから離れようとしたところ,「Excuse me, Sir! What is this card?!」と,女性店員は硬い表情で私を呼び止めた.これは日本で発行されたJCBカードだよと説明したが,彼女は半信半疑で,また別の男性店員を電話で呼んできた.二人はJCBの表裏を何回もひっくり返して入念にチェックした上で,「Thank you」といって返してくれた.こんなカードは初めて見たと釈明してくれた.

 

「へい.....!」長い溜め息をして,持ち帰れない重いものを押して,配送受付カウンターの前に並んだ隊列の最後に加わった.カウンターでは,中太りの兄ちゃんが悠然とお客さんに対応していた.しばらくすると,家内が近寄り,「あなた,イライラした表情が険しすぎるよ.こんないやな顔をしないでね」と注意した.「ハイハイ」と気分を取り直した...

 

 今度は気になっていたあのアレコレカードをもう一回差し出した.なぜか,スムーズに通った!サインした後,レシートに正規の配送料の倍の約100ドルが徴収されたことに気付いた.Maさんはそれをもって中太りの兄ちゃんに問い質すと,「あっ,ゴメン,二回も入力してしまった.取り消してあげるよ」と説明された.配送は翌日の午前中になる予定だった.

 

 Maさんの車に乗って,市内に向かった.もう夕方5時をすぎた.お子さんを迎えに行かなくてもいいのかとMaさんに聞いたら,会社勤めの旦那さんは普段5時に退社するので今日は旦那さんにやってもらうと答えた.5時に退社するって,やはりゆとり社会のカナダだ!

 

アドバイス:

医療保険は気になる方は多い.ケベック州では,州が発行した保険証があれば,医療がただであるというメリットがある.しかし,正式に適用できるまでには3ヶ月の待ち時間が必要である.その3ヶ月の期間のために,以下のように用意した.

 

(1)私と家内は,JCBカードの海外旅行保険でカバーしてもらえる.念のため,JCBの保険会社に英語の保険証明書を依頼した.詳しくはJCBのホームページを参照されたい.適用期間は長くても3ヶ月.

(2)娘には,住友海上から3ヶ月分の海外旅行保険を購入してあげた.3ヶ月で約2万円前後.

(3)あまり知られていないが,文部科学省の共済保険や国民健康保険は,最近になって海外での治療もカバーしてくれるようになった.職場の共済担当者から海外の医療機関に記入してもらう用紙を取り寄せた.帰国後に請求できる.